ドメーヌ ジェラール セガン ブルゴーニュ ルージュ キュヴェ ジェラール 2022
キュヴェ ジェラールは、ジュヴレ シャンベルタンにあるACブルゴーニュの区画のブドウより造られています。平均樹齢は40年。
テイスティング コメント
紫がかったルビーの色調。香りはラズベリーやチェリー、プラムのアロマと甘草、オレガノ、クローブなどのスパイスのノート。花のニュアンスが混ざり合い、繊細で奥床しいアロマが魅了する。口に含むとなめらかでピュア。しなやかな酸味に支えられ果実味には品格があり格上ジュヴレに通じる力強さと芳醇さ、そこに艶っぽさが加わる。口当たりがやさしく溶け込んだタンニン。現時点では多少若いがフレッシュな味わいの中に深みを感じる。早めの抜栓がおすすめ。
合う料理 ソーセージ、鴨肉、コック オヴァン(雄鶏の赤ワイン煮込)、軽くスパイスを効かせた料理、ジビエなど。
2024年7月試飲
ドメーヌ ジェラール セガン
ジュヴレ シャンベルタン村の北西に位置するラヴォー渓谷。その谷の開口部に、ラヴォー サン ジャック、クロ サン ジャック、カズティエといった、グラン クリュに相応しいとされる極上のプルミエ クリュが連なっています。ジェラール セガンのシェを兼ねた住まいは、まさにそのラヴォー サン ジャックの麓に位置。栽培や醸造でよく情報交換をするという隣人は、かのアルマン ルソーです。そしてセガンのシェのすぐ裏手には大変小さなプルミエ クリュ「クレピヨ」が広がります。
現在のドメーヌ ジェラール セガンの礎は4代目当主ジェラールの曾祖父でブドウ栽培農家アレクシー セガンが活躍していた1850年前後まで遡ることが出来ます。彼はフィロキセラ禍に対し、アメリカ産の台木への接ぎ木を実践し始めた第一 人者として知られています。その後、ブドウ畑は彼の子息たちに分与され、その内の一人イポリートに栽培のノウハウが引き継がれることになります。1950年にはイポリートの子息であるピエールがルニャールにあるブドウ畑を買い増し、 1960年にはシェの整備に着手。続くジャントによってクレピヨやラヴォー サン ジャックが買い足され、1970年初頭には合計で2.5haのブドウ畑を所有するに至ります。1973年、醸造設備を含めたシェが完成。そして1977年、イポリートの子息、ジェラールが参画することになります。1991年には醸造設備を一新。ここにジェラール セガンとして醸造からボトリングまでの一貫した生産体制が完成。1995年にマダム シャンタルが、2006年にはボーヌで醸造学を修めた子息のジェローム(5代目当主)が新たに加わりました。
ボーヌ醸造学校で教鞭をとるジェラール氏。栽培からボトリングにわたる全ての工程は、化学や生物学に関する深い知識に裏打ちされた大変細やかで綿密な計算を元に行われています。そして、その鋭い観察力と知識の豊かさが「第一にテロワールを敬うこと。自然のなすがままにゆだねること」という彼のワインづくりへの哲学を支え、そして結合することでワインに完璧な説得力と完成度をもたせることに成功しています。
プレス後、約7日間、最高6℃の環境下でプレ マセラシオン。その後、自生酵母による自然な発酵を行います。この自然な発酵は20年以上もの間実践してきたそう。継ぎ目なく緻密に詰まりながらも、優しい果実味と冷涼な酸。樽からのニュアンスは控えめで、新樽を50%の割合で用いるプルミエ クリュのワインでも果実のつややかさが失われていない。にもかかわらずタンニンは非常に繊細。舌やのどに染みこむような液体のありさまはまさに古典的ブルゴーニュ ワインのスタイルと言えるでしょう。また特にラヴォー サン ジャックにはその名高いリューディと品質の高さからは、想像のつかないほどお値打ちな価格を保っていることも、このジェラール セガンの魅力のひとつです。