シャトー マラルティック ラグラヴィエール ブラン 2014
テイスティング コメント
輝きのあるレモンイエローの色調。香りはリンゴや洋梨、白桃などのフレッシュフルーツのアロマ。そしてレモンピールやハーブ、ペッパーの香り。木樽由来の熟成香、バニラやスモーキーなニュアンスが漂う。口に含むとなめらかで、濃密な印象。たっぷりとした果実味でエキゾチックなフルーツの風味が溢れる。しっかりとした力強さと構造をもっており熟成により深みのある味わい。アフターは程よくスパイシーで、長く持続性のある余韻。
合う料理 甲殻類、鶏肉のグリル 香草焼き、天ぷら、ポークソテーなど。
2024年6月試飲
シャトー マラルティック ラグラヴィエール
上級ボルドーに見られるエレガントさやフィネスを備えながら、懐が広く親しみやすさを感じるワイン、シャトー マラルティック ラグラヴィエール。赤、白共に格付されている6つのクリュの一つで、クラシカルボルドーの代表的な逸品です。因みにラベルに描かれている3本マストの帆船は、海運業を営んでいたシャトーのオーナー、リドレ家が所有する「マリー エリザベス号」です。
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
レオニャンのグラーヴ南部に群居するシャトーの1つ、マラルティック=ラグラヴィエールの畑は、この地域の標高の高い砂利質の台地に位置する、単一の区画である。かつては、ここの1ha あたりの生産量は高かった。前の経営者のジャック・マルリが、樹齢の低い木で収量を多くした方が、樹齢の高い木で収量を抑えるよりもよいワインをつくれる、という少数意見の持ち主だったからだ。
1997年にボニー家がシャトーを買収してから、ワインの品質は劇的に変化した。新しい、最先端技術を駆使した、ハイテクなワイン醸造施設への多額の資金投入、新樽の増加、そしてセカンドワインのための選別を厳しくしたことで、マラルティック=ラグラヴィエールはほとんど無視された出来の悪いシャトーから、ペサック=レォニャンで最もエレガントで興味深いワインを造るシャトーへと急速に変貌した。ここは明らかに、この地域の新星の一つである。ワインが超大作となることは決してないが、赤・白のどちらもがエレガンスと鮮明感の模範である。品質の向上は1997年に始まり、ヴィンテージを追うごとによくなっている。さらに、価格はこのシャトーが生み出すうっとりさせられるようなワインの品質に、まだ追いついていない。
一般的な評価
現在の管理者のもとで、マラルティック=ラグラヴィエールは息を吹き返した。かつては期待を裏切り続けるシャトーであったのが、1997年以来驚くほど急速に向上した。それは、新しい所有者、アルフレッド=アレクサンドル・ボニーとミシェル・ボニーによるところが大きい。今では赤・白両方のワインが消費者の注目に値する出来であり、また値段もリーズナブルなままだ。ボルドーに旅行した際シャトーを訪れたなら、宇宙時代的な技術を備えたキュヴェリー(ハイテク醸造所)を見ることができる。