アンデルーナ・セラーズ アルティテュード・メルロ 2014
タンニンやアントシアニンなどのポリフェノール類が成熟しているかどうか、葡萄を食べて厳しくチェックを行ないます。収穫は早朝に手摘みで行われ、葡萄は2度にわたって選別されます。まず畑で選別し、セラーに運んでから、発酵前にもう一度、選別します。発酵前に低温でプレマセラシオンを行います。発酵はステンレスタンクで26度前後に保ちながら行ない、その間、1日3回のポンピング・オーバーを行い、デレスタージュは毎日1〜2回行ないます。熟成はフレンチオークの樽で12ヶ月、さらに瓶内で最低でも8ヶ月寝かせてからリリースします。
[テイスティング・コメント]
紫がかった濃いルビー。深みがあり、粘性は高め。香りには完熟したブラックベリーやカシスリキュール、スミレ、ブラックペッパー、オリエンタルなスパイスが混じり合い、スモーキーなオークの香りがアクセント。バニラやチョコ、ココアなどの深い香り、茸、土、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックはやや強くなめらか。果実味は十分な凝縮度、グリセリン分を含み、樽由来のバニラやココナッツのヒント。前ヴィンテージ(2011)と比較するとボディの厚みはあるものの中間部からアフターにかけてより繊細な印象を受ける。これまでの「濃厚で力強いワイン」を脱しエレガントさが備った。辛口で余韻は長め、良質なサン・テミリオンを彷彿とさせる。
アンデルーナ・セラーズ
アルゼンチンの伝統とロマンスを表現
アンデルーナ・セラーズは、国際的に知られるアメリカ人実業家、ワード・レイ氏によって、2003年に設立されました。彼は1990年代の初め、狩猟と釣りを楽しむためよくアルゼンチンを訪れていました。アルゼンチンを大変気に入っており、アルゼンチン観光局のアメリカ・北米代表も務めていました。2000年にメンドーサを訪れた際、この土地が次のナパ・ヴァレーになるに違いないと確信し、畑を所有して葡萄の栽培をしていたルティーニ家にワイナリー建設の投資を決めました。アンデルーナの名前は、トゥプンガトの町近くのウコ・ヴァレーを囲む壮大なアンデス山脈(ANDE)と、それを照らす月(LUNA)の美しい景観に惚れ込んで付けました。
トゥプンガトにある標高1,300mの場所にワイナリーと自社畑を所有しています。畑は、たいへん日当りが良く、昼夜の温度差が大きいため、濃厚な色とアロマを持った、骨格のしっかりとしたワインが出来ます。ドリップ・イリゲーションの水量は、必要な分だけ供給されるようコントロールし、収穫量は、1haあたり10トン以下になるようにキャノピー・マネージメントを行っています。
太陽が昇る側の樹は、日光が弱いため、葉を落とし、反対側は、日光が強いため、葡萄が焼けないように葉を残すようにします。樹と樹の間には、豆科の植物を植えています。この植物が虫除けになっています。グラン・レセルヴァに関しては、葡萄の樹の片方を切ってしまい、房は3つに制限し、20hl/haにまで収穫量を落とします。レセルヴァは房を6つ残し、40hl/ha、スタンダードクラスの房は8つ、70hl/haにそれぞれ制限します。
2011年10月、ワード・レイ氏は、志半ばで他界しましたが、その遺志はバラレ・ファミリーによって引き継がれています。醸造コンサルタントはミシェル・ロラン氏、ワインメーカーはマニュエル・ゴンザレス氏。
創設者:故ワード・レイ氏