産地:イタリア バジリカータ
品質分類 原産地呼称:I.G.P.
品種:グレーコ、フィアーノ
タイプ:白ワイン 辛口
アルコール度数:12%
容量:750ml
仕様:ガラス栓
Pipoli Bianco
/Vigneti del Vulture
(Fantini)
ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ ピポリ ビアンコ 2023
土着品種グレーコとフィアーノをブレンドしています。栽培地域は、バジリカータの西側に位置するポテンツァ県のアチェレンツァです。畑は、標高600mという高い所にあります。フィアーノのみスキンコンタクトさせます。柔らかく圧搾、澱下げします。12~14度に温度管理しながら発酵させます。アロマを失わないように、果汁の取り扱いの全ては無酸素な環境で行います。ステンレスタンクで5~6ヶ月熟成させます。
テイスティング コメント
輝きのあるイエロー、僅かにグリーンのトーン。香りはアプリコット、桃、パイナップルなどのフルーティーな果実のアロマ。そして柑橘類にフローラル ノート。後にはナッツ、スモーキーなニュアンスが漂う。口に含むとなめらかでジューシー。生き生きとしたフレッシュな酸味が心地よく中庸のボディに、南イタリアらしいふくよかさ、トロピカルフルーツや柑橘類、爽やかなハーブの風味が溶け込んでいる。アフターにかけてしっかりとドライ感(辛口)、バランスよい仕上がり。
合う料理 食前酒、シーフードサラダ、魚介のフライ、ローストビーフなど。
2024年9月試飲
ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ(ファンティーニ グループ)
ヴィニエティ デル ヴルトゥーレは、バジリカータ州アチェレンツァでファンティーニ グループが経営するワイナリーです。この土地の農協が破産してしまったところを、ファンティーニ グループが出資する形で2010年にスタートしました。現在は100%ファンティーニ グループの資本となっています。アチェレンツァは標高800mほどの丘の上にあり、イタリアの最も美しい町の一つとして知られており、古代ローマの詩人ホラティウスが、「鷹の巣のようだ」と形容したと言われています。この地域は、南イタリアにありながら、標高が500m以上と高いため夜になると気温がとても低くなるという特徴があります。
ファンティーニ グループの設立者ヴァレンティーノ ショッティは、「日照量が多く、私たちが求めているスタイルのワインを造るのに最高のコンディションです。イタリアの中でも、また私たちの葡萄畑の中でも、最も素晴らしい葡萄がこのエリアから生産されます。まるで時が止まったかのような町で、ここでは60~70年前の生活が今も変わらず、すべてのことが自然のままに行われています」と話していました。
情熱から生まれ、世界に認められた南イタリアの星「ファンティーニ」
「良いワインを造りたい。ただ、それだけだった。」
イタリア中部アブルッツォに拠点を置く「ファンティーニ(旧ファルネーゼ)」は、1994年、わずか3人の情熱から誕生しました。創業者のひとり、カミッロ デ ユリウスは若くしてイギリスへ渡り、レストラン経営とワイン輸入で成功を収めた人物。「いつか生まれ故郷アブルッツォへ戻り、土地に恩返しをしたい」との強い想いを胸に帰郷したカミッロは、同じくアブルッツォで“もっとレベルの高いワインを造りたい”と願っていたヴァレンティーノ ショッティ、そして醸造家フィリッポ バッカラーロと出会います。
当時はまだ資金も設備も整っておらず、造れるのはエントリーレベルのワインのみ。それでも「いいワインを造りたい」という情熱だけは、誰よりも強かった。そんな彼らの挑戦を、世界的ワイン評論家ロバート パーカー Jr.がいち早く評価。彼が「車に積めるだけ買いたい」と評したのは、彼らの原点であるモンテプルチアーノ ダブルッツォでした。
「エディツィオーネ」の誕生、そしてイタリア最優秀生産者へ
その後、イギリスの著名評論家ヒュー ジョンソンのアドバイスを受け、「土着品種を使ったイタリア最高峰のワイン」を目指して始まったのが、フラッグシップワイン「エディツィオーネ」のプロジェクトです。畑探しに4年、試行錯誤の末、2001年に完成した初ヴィンテージは、世界のワイン市場に鮮烈な印象を残しました。「シドニー インターナショナル ワイン コンペティション」でベストワインに選出されたことで注目を集め、2005年にはルカ マローニのワイン年鑑にて「イタリア最優秀生産者」の栄誉に輝きます。
ファルネーゼから「ファンティーニ」へ、名前とロゴを刷新し再スタートを切る
設立からわずか10年足らずでトップ生産者に上り詰めたファンティーニは、その後も勢いを緩めることなく南イタリア各地に投資を拡大。トスカーナやサルデーニャにも進出し、現在ではイタリア7州でワイン造りを行うまでに成長しました。そして2020年代に入り、グループ名を「ファンティーニ グループ」へと刷新。2022年には「フランクフルト インターナショナル ワイン トロフィー」や「ムンドゥス ヴィーニ」においても『Best Italian Producer』に選出されるなど、世界的な評価をますます確固たるものとしています。
ファンティーニの哲学は「規模ではなく、人の想いに寄り添うこと」
自社畑を持たず、地域に根差した小規模農家と契約し、彼らの知恵と伝統を活かして葡萄を育てています。区画ごとに適正な報酬を支払い、質の高い葡萄づくりを農家と二人三脚で行う──それが、土地と共に生きるファンティーニのスタイルです。また、ワイン造りの現場では、通常の数倍にも及ぶ13名もの醸造家が在籍し、各ワイナリーに専任のワインメーカーを配置。すべての醸造工程をきめ細かく管理することで、「高品質を量産できる」という理想を実現しています。創業メンバーであるフィリッポ バッカラーロ、そして世界的醸造コンサルタント、アルベルト アントニーニの2人が監修にあたり、伝統と革新のバランスを保ちながら、妥協のないワイン造りを続けています。
ファンティーニは、今や南イタリアで最も成功したワイン生産者のひとつ。しかし、彼らが最も大切にしているのは、「初心」と「人とのつながり」。大規模でありながら、ブティック ワイナリーのようなこだわりを持ち続けるその姿勢が、世界中のワインラヴァーを惹きつけてやまないのです。