産地:イタリア マルケ
原産地呼称:D.O.C.
栽培方法:オーガニック(認証無し)
品種:モンテプルチアーノ70%、サンジョヴェーゼ30%
タイプ:赤ワイン ミディアム~フルボディ
アルコール度数:13.5%
容量:750ml
Rosso Piceno Superiore
Brecciarolo
/Velenosi
ヴェレノージ ロッソ ピチェーノ スペリオーレ ブレッチャローロ 2022
ブレッチャローロは「小さな石」の意味で、1984年にワイン造りを始めた際の畑の名前です。スペリオーレが生産されるのは、特別な微気候と土壌を持ったマルケ南部の限られた地域です。ヴェレノージは、スペリオーレの可能性と将来性を、注目を集める以前から信じ、上質のワインを造り上げる努力をしてきました。その結果は、このワインの何年も保つしっかりしたボディと、オーク樽での熟成による柔らかく心地よい味わいに感じ取ることが出来ます。畑はオッフィーダとアスコリ ピチェーノにあります。標高は200~300mで、主に粘土土壌。10月半ばの早朝か夕方に収穫して、小さな箱に入れ、冷却して運びます。除梗して、温度管理とルモンタージュが出来る200hLのステンレスタンクで発酵、20日間醸しを行います。樹齢が若いため新樽では負けてしまうので、ロッジョ デル フィラーレとルディに使った樽で、16ヶ月熟成させます。
テイスティング コメント
紫を帯びたやや濃いルビーの色調。香りはカシスやラズベリー、ブルーベリーの果実と、華やかなスミレ、ラベンダーのアロマ。ローズマリーやスパイシーなオークの香りをアクセントに鮮烈な芳香が広がる。口に含むと、ソフトで滑らか。豊かな酸味に支えられたジューシーな果実味が伸びやか。凝縮感があり、キメ細かなタンニンが溶け込んでおり、しっとりとしたまろやかな質感。酸の余韻が心地よく、アフターに果実のフレーヴァーと香ばしいオークのビター感。全体に柔らかく、バランスのとれた味わい。ホールトマトをつかった煮込み料理や牛肉の赤ワイン煮込み、トマトソースを使ったパスタやピッツァなどと一緒に。
ヴェレノージ
マルケでトップ生産者の仲間入りを果たした、情熱あるれる生産者
スタンダードからトップクラスまで、すべてのワインが「高品質」
ワイン造りに身を投じることを、アンジェラの両親もエルコレの両親も反対でした。アンジェラの実家は靴のビジネスを、エルコレの実家は食品関係の仕事をしていました。親たちは自分たちの跡を継いでくれることを希望していましたが、アンジェラ達は、親の決めた道ではなく、自分たちがやりたいと思う分野で成功を収めたいと思っていたのです。2人は抑えきれない情熱と共に1984年にヴェレノージを設立、エルコレは25歳、アンジェラは20歳でした。僅か9haの畑から、3種類のワイン(ロッソ ピチェーノ スペリオーレ ブレッチャローロ、ファレーリオ、ヴェレノージ シャルドネ)でのスタートでした。ワイン造りを始めた当初は本当に大変でした。お金も無く、有名な畑を所有している訳でもなく、ワイン造りの家系でもなかったため、自分達で勉強するしかありませんでした。昼間は畑とセラーで働き、夜は懸命にワイン造りの勉強をしました。それから20数年後、その努力が実り、ようやく親たちも認めてくれましたが、長い年月がかかりました。現在は、自家畑を160ha所有、その他に賃貸契約の畑もあります。家族経営のワイナリーとしてはマルケ州で2番目の規模となり世界約55ヶ国に輸出するまでになりましたが、ワインへの情熱は当初と変わりません。
アドリア海とアペニン山脈に挟まれた、葡萄栽培に理想的な環境
マルケ州はイタリア半島中部に位置しています。北はエミリア ロマーニャ州、西はトスカーナ州とウンブリア州、南はアブルッツォ州、ラツィオ州に接しています。西はアペニン山脈、東はアドリア海に挟まれる、南北に延びる州です。約70%が丘陵地帯、30%が山岳地帯で、平野部はほとんどありません。
ヴェレノージの畑も、全て斜面に位置しています。日中はアドリア海からの冷たい海風が葡萄畑を吹き抜け、日中は日当たりがよく葡萄を湿気から守り、雨が降っても葡萄を乾かし湿気から守ります。夜間は暖かい風がアペニン山脈によって冷やされ、畑に冷たい風が吹きます。これにより、昼夜の寒暖差が生まれ、葡萄のアロマの成長が促され、ワインに豊かな香り、そして酸をもたらします。
エントリークラスからトップ キュヴェまで全てのワインに同じ労力をかける
そうした姿勢が実り、国際的なコンペティションでも高く評価されています。「ガンベロ ロッソ」にてロッジョ デル フィラーレが12年連続、通算では20回、最高評価トレ ビッキエーリを獲得するなど、イタリア国内のワイン評価本では定評を得ていたヴェレノージですが、近年では、国際ワインコンクールでも高い評価を得ています。ベルリン国際ワインコンペティション2019では「Italian winery of the year」に、同コンペティション2020では「Italian white wine winery of the year」に選出されました。ヴェレノージのワインがここまで広く受け入れられた背景には、彼らの哲学があります。それは、生産量が増えてもエントリークラスからトップ キュヴェまで、全てのワインに同じ姿勢で向き合い、同じ労力をかけ、品質の向上に注力しています。
「国際市場でマルケ州のワインを牽引するワイナリーは数少ない。その中で重要な役割を果たしているのがヴェレノージで、毎年世界市場での存在を広げている。(中略)固有品種による白ワインやスパークリングワインから力強い赤ワインまで、このワイナリーの強みは沢山あり、品質が非常に安定している」-ガンベロ ロッソ イタリアワインガイド2017より抜粋-