Renée Brut
Blanc de Noirs
Millésime Grand Cru
/Paul Sadi

ポール サディ　ルネ　ブリュット　ブラン ド ノワール　ミレジム　グラン クリュ　2017

ボーモン シュル ヴェルのリウ ディ「レ ゼクルヴィス」（モノポール）および「クロワ ギヨン」産のピノ ノワール100%。樹齢約40年のVV。228リットルの樽で発酵後、7ヵ月間熟成。ドザージュは6g/l。生産本数1002本のみの特別限定作品です。

テイスティング コメント

外観は輝きのあるゴールド。香りには、熟した桃やアプリコットの芳醇なアロマ。続いて、蜜リンゴや蜂蜜のニュアンスが加わり、甘く華やかな香りが顔を出す。さらにブリオッシュの香ばしさやナッツのトーストした香りが感じられ、複雑さが増していく。口に含むと、フレッシュで、滑らか。力強いアタックながらきめ細かな泡が心地よく、ジューシーな味わい。しっかりとしたミネラル感と引き締まった酸があり、力強さと繊細さのバランスが素晴らしい。ピノ ノワールならではのコク、飲み応えがあり、余韻にブリオッシュやナッツの香ばしさ。エレガンスも感じさせる極上の一本。

合う料理　白身魚のカルパッチョ・フライ、エビとアボカドのマヨネーズ和え、貝類のグリエ、寿司など。

2025年4月試飲

シャンパーニュ　ポール サディ

家族の絆が生む、唯一無二の味わい

シャンパーニュ　ポールは、2012年にマグダレーヌとジェロームによって創設され、祖父のポール ポルティエとサディ マロへの敬意を表すために誕生しました。彼らは謙虚ながら勤勉な人物で、ボーモン シュルヴェスルやヴィレール マルメリーの土地づくりに貢献しました。この物語は、1924年に祖祖父のヴィルジル ポルティエが、1911年のワイン生産者の反乱後に土地を購入し、「シャンパーニュ　ヴィルジル ポルティエ」を設立したことから始まります。彼は収穫・加工業者として8.4ヘクタールの畑を持ち、醸造所や地下室、2台の圧搾機を建設し、1937年には30,000本を販売しました。この遺産は、彼の子供たちであるオデットとポールに引き継がれました。

ポールは最初は迷いましたが、第二次世界大戦後に家族の土地を継承し、1960年に「SCA ヴィルジル ポルティエ」を設立。オデットが出資し、ポールが経営を担当しました。ヴィルジルの死後、家族は事業を拡大し、販売本数は年間5万本から7万本に増加し、パリのレストランなどにも販売されました。

また、ポルティエ家の大きな強みは、ボーモン シュル ヴェルスルのグラン クリュの血統と、収穫・加工業者としての伝統です。家族のシャンパン生産は非常に稀で、村の中でこのステータスを持つのはわずか3つの家だけです。ポールはその功績から、ブドウ栽培者の指導者となり、シェイカーの象徴が彼のコルク栓に描かれています。苗木の接ぎ木も今も続く活動です。

ポールはレネ エスペンシードと結婚し、娘のマリー ジョゼとジャン＝ルイをもうけました。ジャン＝ルイは1969年に軍務を終え、家業に加わり、ヴィレール マルメリー出身の母マルティーヌ マロと結婚。こうして、ポルティエ家とマロ家は、共通のブドウへの情熱を持ち続け、テロワールの伝統を守り続けています。

ボーモン シュル ヴェル100%のシャンパンはあり得ないほどに珍しく、これ以前に飲まれた方は、おそらくどなたもいらっしゃらないと思います。よほどの専門書をあたらなければ、情報もほとんどありません。ぜひご自身の舌で確かめていただき、シャンパーニュ文化の歴史に一歩を加えていただければと思います。