Côtes-du-Rhône Villages
Visan
/Domaine de la Bastide

ドメーヌ ド ラ バスティード　コート デュ ローヌ ヴィラージュ　ヴィザン　2023

ヴィザンの魅力であるジューシーで滑らかな果実に溢れ圧倒的な凝縮感と複雑さを備えています。村名を名乗ることを認められたコート デュ ローヌ ヴィラージュの実力を知る1本。熟成：ステンレスタンクで発酵、コンクリートタンクで8ヶ月熟成

テイスティング コメント

紫がかったルビーの色調。香りはブルーベリーやカシス、チェリーなどの果実とバラやスミレを想わせる華やかなアロマ。さらにローズマリーやブラックペッパーなどのスパイスの香りに、僅かな鉄っぽいニュアンスも感じる。口に含むと、しっとり滑らか。スパイシー、かつジューシーな果実味に満ち、良質なタンニンがしっかり絡み合う。アルコール感が充実し力強く、グリセリン分の豊かさから仄かな甘味を伴う。バランスがよく果実味とタンニン、酸味が見事に調和。生き生きとした野性味豊かな酒質をもっている。

合う料理　鴨や牛、仔羊のロースト、焼き肉、牛のレバーソテーなど。

2025年2月試飲

ドメーヌ ド ラ バスティード

古くからのブドウ栽培家の家系に育ち、農業エンジニアとしてフランス各地で技術指導を行ってきたベルナール ボワイエは、兄弟が興した醸造所を手伝う内に自分自身のワインを造りたいと強く思うようになりました。彼は自らの夢をバスティードで実現させ、バスティードは彼のおかげでワイン造りという伝統を取り戻すことができました。ブドウ栽培はビオロジックの手法を目指しており、化学薬品を使わず、できるだけ花や木を植えて昔ながらの周囲の環境を整えています。一方で、技術指導者という経歴を活かし必要であれば最新技術も導入しており、温度管理ができるステンレスタンクはもちろん、熟成タンクに微量の酸素を送り込みタンニンをまろやかにするミクロブラージュの装置も備えています。

収穫前や収穫中にブドウの糖度、PH値、熟度を比べながらどの区画のブドウを摘むか決めるという姿勢にも表れていますが、バスティードのワインの魅力はなんといっても絶妙なバランス感です。甘みがしっかりのったジューシーな果実味。しかし、果実一辺倒ではなく確かな骨格を備えています。過度の固さや渋みはなく、口にした瞬間「旨い!」と声に出してしまうような素直なおいしさに満ち溢れています。現在、ワイン造りは息子のヴァンサンに託されましたが、その魅力は今も変わりません。ヴィザン全体で300haを超える栽培面積に対し元詰めをする生産者はまだ少ないですが、ここ10年で10以上のワイナリーが新たに設立されたといいます。ヴィザンの評判は徐々に高まっており、20年以上に渡ってそのポテンシャルを世界に発信してきたバスティードの功績はとても大きなものです。