産地:フランス サヴォワ
品質分類・原産地呼称:A.O.P.ルーセット ド サヴォワ
栽培方法:リュット レゾネ
品種:アルテス100%
タイプ:白ワイン 辛口
アルコール度数:12.5%
容量:750ml
ドメーヌ リュパン ルーセット ド サヴォワ フランジー 2022
Roussette de Savoie
Frangy
/Domaine Lupin
ドメーヌ リュパン ルーセット ド サヴォワ フランジー 2022
生産の殆どが実家のレストランで完売してしまう希少なサヴォワ ワイン。レモン等の柑橘類、ミネラルが存分に感じられる爽快な香り。さわやかな酸味は口中を洗い流してくれるようです。
テイスティング コメント
輝きのある淡いレモンイエロー、微かにグリーンのトーン。香りは洋梨、青リンゴ、白い花のアロマにグレープフルーツやライムなどの柑橘類、ジンジャー、ハーブのノート。ふわりと広がる爽やかなアロマ。コンポートした桃や梨のような仄かに甘いニュアンスも感じる。口に含むとフレッシュでジューシー。パリッと弾けるクリスピーな飲み口で、たっぷりとしたミネラルを含む。イーストのような香味、旨みが広がりキリっとしたドライ仕立て。後には塩味と心地よいほろ苦さ。
合う料理 サラダ、シャルキュトリ、グラタン、チーズフォンデュ、白身肉のソテー、パスタなど。
2024年10月試飲
ドメーヌ リュパン
ルーセット(アルテス種)のスペシャリスト
ブリュノ リュパンはルーセット ド サヴォワのクリュ、フランジー所在の4世代に渡る家族経営のドメーヌです。以前は農業も営んでいましたが、現在の当主ブリュノ リュパンにより1992年に専業のワイナリーとして新たなスタートを切りました。
当初わずか1haだった畑を1994年から徐々に増やし、現在は5haになりました。栽培品種はルーセット主体。サヴォワでは23品種のブドウの植樹が認められていますが、リュパンは白のルーセット(4.7ha)と赤はモンドゥーズ(0.4ha)の2品種しか栽培していません。こうしたことから、ブリュノ氏は地元品種ルーセット(アルテス)のスペシャリストとして知られますが、生産規模が小さく、また生産のほとんどは両親が地元で営むレストランに来る熱心なファンが購入するため、輸出にまわることは稀な幻のワインです。
全てを捨てて自分に賭けたサヴォワの紳士
ブリュノ リュパンは1980年にボーヌの醸造学校にてワイン醸造学を取得。その後はスイスのジュネーヴにある協同組合のワイナリーに15年間勤め、そこで後に醸造責任者になりました。
しかし、彼には実家のワイナリーを継ぐという固い決意があったため、1994年から少しずつ畑を買い足していきます。その当時の父親から受け継いだ畑は、たったの1ha強。それだけではあまりにも少な過ぎてこれでは生活していけないと判断。最終的には5haになるまでに15年以上かかり、1998年にようやく念願の自社ワイナリーに専念することとなりました。
2005年、レヴュ デュ ヴァン ド フランス誌が大きく取り上げたインタヴュー記事に、「なぜ、家から近いジュネーヴでの醸造をやめたのか?フロンタリエ(国境に住む人)としての生活は快適だったはず。決まった労働時間、高額な給料(スイスの所得水準は、大卒平均55万円以上)、なのにどうして?」という質問がありました。
これに対してブリュノ氏は、「やっぱり最初から最後まで自分でやりたかったし、自分は職人タイプだから。それにジュネーヴで資金はしっかり貯めたから、自分の力で行けるところまで行こうと思った。」と答えています。
やり始めてみると収入はスイスで働いていた頃の半分、畑やカーヴでの仕事が終わって、帰宅したら書類の山、販売先の予想不可等・・・不安は常に付きまとう、とブリュノは言いますが、できたワインのほとんどが両親の経営するオーベルジュとそのレストランで完売してしまうというほどの人気ぶりで、フランス国内にもほとんど出回らないという幻のワインとなっています。
すぐ楽しめるタイプのワイン
ブリュノ リュパンは、サヴォワ地区では長熟タイプのワインより、楽しめるワイン、つまりフレッシュで、すぐ楽しめるタイプのワインに適しているといいます。
日本向けは特別にアッサンブラージュ
サヴォワ地区のルーセット(アルテス)は、残糖度とガスが多いためともすると厚みのないワインになります。ブリュノは個人的に残糖度の高いワインは好まないことから、日本向けにリリースするものは、残糖度の少ないアサンブラージュを特別に行っています。